Ballet Dancer Interview vol.4

2018年谷桃子バレエ団の新春公演「白鳥の湖」で華々しい主役デビューを果した竹内菜那子さん。クラシックの公演だけでなく、株式会社松竹製作「滝沢歌舞伎」の舞台等でも活躍する彼女の姿に迫りました!

バレリーナ 竹内菜那子

ご自身初の「白鳥の湖」全幕主演を通して、本番中に感じた事や新しい発見等はありましたか?
谷桃子バレエ団の白鳥の湖は、ドラマ性が強いので私はとても好きです。オデットと群舞の白鳥達との絆はとても強いものがあり、白鳥達はただの群舞ではなく皆それぞれに白鳥にされてしまった悲しみを持っています。オデットはその全員の運命を背負っているのです。その深みを強く意識し表現したいと思いました。終幕でオデットと王子が湖に身を投げ、再び姿を表すシーンがあるのですが、その時、私の立つ位置からは一人一人の白鳥達の顔が見えるのですね。普段共に練習してきた仲間のダンサー達が、それぞれに悲しい顔だったり清々しい顔だったりしていて、各々の白鳥達のストーリーが感じられ、私も涙を抑えながらの演技でした。他にもオデットとオディールの一人二役を演じたのも初めてだったので、3幕のオディールから4幕のオデットへの早替えで、衣裳・メイクも変えなければならない中、短時間で気持ちをオデットに戻すことの難しさも実感しました。本番の自分の演技に対しては、もっとこうで出来たら良かったのに...と反省点もありましたが、現時点で私の精一杯の演技が出来たと思いますし、後悔はしていません。

バレリーナ 竹内菜那子

今年で3年目のご出演となる「滝沢歌舞伎」の舞台についてですが、この公演にかける思いや意気込みなどお話いただけますか?
クラシック公演との違いも多く苦労されか事も多かったのではないかと思いますが、、、 私は子供の頃から日本でバレエを広められるダンサーになりたいと思っていました。バレエ団で役を演じることは勿論大切ですが、滝沢歌舞伎の舞台では、初めてバレエを見るお客様がほとんどの中、私の踊りを見てバレエに関心を抱いて下さるお客様も実際にいらっしゃるので、この公演で、より多くのお客様にバレエを広められる事を嬉しく思います。苦労した点をいえば、演出の都合上、舞台上に電気コードがあったり、水浸しの中で踊らなければならなかったり(笑)バレエの舞台では考えられないような状況の中でのパフォーマンスなので、普段と同じクオリティーを出す事はとても難しいのですが、出来る無理はする!という覚悟で挑んできました。出演者全員が滝沢座長の目指す方向に向かって熱い思いを持っており、プロ意識が高く芸達者な人ばかりが集まる厳しい現場ですので、そこにバレエを取り入れて下さった事を本当に有難く思います。そして、この公演に快く送り出して下さる谷桃子バレエ団の団長に感謝しています。

バレリーナ 竹内菜那子

そんな竹内さんにお気に入りのバレエ用品について伺いました・・・
Wear Moi(ウェアモア)のバレエシューズはすごくフィット感が良くて、つま先がとても美しく見えるので、非常に気に入って使っています。トウシューズは現在グリシコの2007を履いています。子供の頃はシルビアやカペジオ、サンシャ、Rクラス等 色々と履いてきましたが、中学生頃からグリシコを履くようになりました。今ではそれぞれのシューズの特徴も熟知していますので、作品によってノヴァに変えたりプロフレックスに変えたりしていますが、全てグリシコのトウシューズです。足裏で床を感じる事が好きなので、トウパットは着けず素足でシューズを履いています。

バレリーナ 竹内菜那子

レオタードはYUMIKOやeleve他、ダンサーの方が作っているハンドメイドウェアなど色々と着ていますが、リハーサル時から気持ちを入れ込むことが出来る様、役柄にあった色やデザインのレオタードを選んでいます。白鳥の湖の練習の時には、シルバーのレオタードをオーダーで作って着ていたりしました。今日着ているBallet Rosa(バレエローザ)AMERI(タートルネック バックレースレオタード)について言うと、レース使いが上品で大人っぽいところが素敵ですね。これ以外にPANAME(長袖のレースレオタード)も着ていますが、とにかくカットや形が綺麗で動きやすく、美しく見えるところがとても気に入っています。私は普段のレッスンでも身体のラインや動きの質に気を遣い、動きやすくきれいに見えることを大切にしているので、素材やデザインは勿論ですが、ストレスのないフィット感、動きやすさが大事だと思っています。

若々しく感性豊かな竹内さんのお話は、パワーと繊細さ、そして美意識の高さを感じました。今後益々のご活躍を期待しています。

Nanako Takeuch Profile 竹内菜那子プロフィール

2008年英国Royal Academy of Danceに短期留学。2010年バレエコンクールin横浜コンテンポラリー部門第1位。つくば国際バレエコンクールモダン部門最優秀賞金賞。2012年つくば洋舞コンクールクラシック部門第1位コンテンポラリー部門第1位、茨城県教育長賞、最優秀賞。2014年谷桃子バレエ団に準団員として入団。2015年正団員に昇格。地方巡回公演で主役を務める他、「眠れる森の美女」フロリナ姫(2016)、「ドン・キホーテ」ジャネッタ(2017)、「白鳥の湖」オデット/オディール(2018)各公演で主要な役を務める。2017年ソリストに、2018年ファーストソリストに昇格。団外では2016年より松竹株式会社「滝沢歌舞伎」に出演。2017年チャコット株式会社主催、伊藤範子演出振付「バレエ・プリンセス」で宝石を踊る。「CEATEC JAPAN 2017」SHARP 8K AQUOS TVプレゼンテーションでバレエパフォーマンスを行う。

Nanako Takeuch Ballet Goods 竹内菜那子愛用のバレエグッズ

  • CAPEZIO ロングラップジョーゼット巻きスカート

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  • Ballet Rosa AMELIE(バレエローザ アメリ)

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  • Wear Moi ストレッチキャンバスバレエシューズ VESTA

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  • グリシコ 2007

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