シルビア プレトウの勧め

プレトウ

Japanise Ballet Goods Selectionシルビア

このコーナーでは「国内メーカーの魅力再発見」をテーマに、メーカー毎の特徴や、今注目の商品をご紹介しています。今回はシルビアです。

 シルビアはトウシューズ、バレエシューズ、タイツ、レオタード等、バレエの必需品をはじめ、衣裳やキャラクターシューズまで、バレエに関連する全ての用品を製造販売する日本屈指のバレエ用品メーカーです。このメーカーの代表的なトウシューズ「ネオチェリー」や「フロリナ3」は、柔らかなシャンクと日本人の足にあった木型が特徴的で、長年、日本全国における多くのバレエ教室において「ファーストトウシューズ」として採用されてきました。赤い靴でもトウシューズ、トウパット、タイツ、バレエシューズを中心に、シルビア の商品を多数取り揃えておりますが、最近じわじわと「プレトウ」の需要が高まってきたので、お店でも注目しています。
 シルビアの「プレトウ」はトウ先に芯の入っていない、立てないトウシューズ(=プレトウシューズ)でして、他の国内メーカーでは販売されていないジャンルです。トウシューズを履く前の訓練として、ここのところ使用するお教室が増えてきました。
 そこで、今回は今注目の「プレトウ」をスタジオで採用しているStudio Yu Ballet and Contemporary代表の志澤憂羽先生にお話を伺ってみました。

「やるきがみなぎる」プレトウの勧め!by Studio Yu Ballet and Contemporary

シルビア プレトウ

学生の頃から、解剖学に関心があった志澤先生はバレエ教師となってからも様々な専門家の下、解剖学のお勉強を続けられ、子供達が幼いうちからトウシューズを履くことの危険性について考えるようになったそうです。「大人の骨格と子供の骨格の違いをレントゲン写真で目の当たりにした時に、こんなに薄く、未発達な骨格に対して、いきなりトウシューズは危険だと実感した事がありました。」そんなきっかけと共に、レッスンでのプレトウシューズの使用をスタートさせた志澤先生。いざ生徒さんに履かせてみると、成長段階の骨への負担軽減、怪我の予防以外にも、思わぬ効果が見えてきたそうです。

ダミー画像

一番の効用は、本人が、自分の足の弱さを自覚できるようになったことだと思います。トゥシューズではないので、トゥで立つことはできませんが、ソールはある程度厚みがありますから普通に立ったり歩いたりするだけでも不安定になります。そして、レッスンをしていく中で本人たちはいつもの様につま先を伸ばしているつもりでも、プレトウを履くと伸びづらいし、いつもより大変になる。それで、“あ、自分はまだ足の力が足りないんだな”、と実感できるようになるのです。そして、もう一つ絶大な効果は生徒達のモチベーションが格段に上がる事!生徒のお母様方も口を揃えておっしゃいますが、プレトウを履き始めると、いよいよトウシューズまであと一歩と言うやる気に満ちてきて、レッスンやトレーニングを意欲的にこなしてくれます。生徒たちはプレトウのリボンを巻くとバレリーナのような気持ちで、気分が上がってレッスンがより楽しくなるようです。」 こうして、プレトウを通して、トゥシューズを履くための前段階のトレーニングを通常よりも長くこなした生徒さん達が、待ちに待ったトウシューズを履くと、皆様最初から、とてもスムーズにポアント立ちできる様になるそうなのです。因みに、大人になってからのバレエ経験者の方にも「プレトウは良いかもしれない」との事。足裏トレーニングのツールとして、またトレーニングの必要性を自覚する為のツールとしても、プレトウを試してみるのは効果的かもしれません。
 

Profile
ダミー画像

志澤憂羽
Studio Yu Ballet and Contemporary代表

クラシックバレエを鈴木和子、ヤン・ヌイッツ、ドミニク・ジュヌヴォワらに師事。1995年、Académie Princess Grace(モナコ)に留学。帰国後コンテンポラリーを中村しんじ、川野眞子に師事。
パリ・オペラ座バレエ学校教師 Bertrand Barena より教授法ディプロム取得。
DLS公認 (バレエダンサー向け解剖学)スタンスインストラクター。

スタジオURL:https://studioyu2017.wixsite.com/mysite