Q1.あなたは自分の時間が増えましたか？また、時間が増えた事により新しく始めた事や習慣になった事などはありますか？
自宅待機の生活が始まる前までは、バレエ団のリハーサルで毎日とても忙しく、時間に追われる様な日々でした。普段は、任された役を自分の解釈を交えていかに魅力的にしていけるか、役の完成度を高める為に毎日練習と研究に時間を捧げるのが当たり前でした。 外出自粛生活が始まって初めは、いつまたスタジオ・舞台に戻れるのか予想もつかず、とても不安でした。しかし、どんなにこの状況が長く続いたとしても、自分の基礎となるベースを強化する事を続けていれば、きっと元の生活に戻れた時に、スムーズに舞台復帰ができる身体作りに繋がると思う様になりました。 基礎さえしっかりしていたら、スタミナやテクニックは、自然と後からついてくるものかなと。 入団してから今までは、任された役を向上させる事に追われていましたが、今の生活でダンサーとしての“自分自身“をより理解して、役ではない”自分自身”を磨く為に時間を使う様に考えています。

Q２.外出自粛生活を通して、あなた自身が得た新しい発想やインスピレーションなどはありましたか？
まずは、毎日シンプルなバーやセンターエクササイズを撮影して、自分の目で確認し、日々沢山のことに気付かされています。自分の理想と比べながら、直したい事が沢山出てきます。普段自分のレッスン姿をじっくりと見つめる機会も中々無いので、良い機会だと思う様になりました。 バレエ団の方でも、“Keep the Magic Alive”というテーマで、ダンサーの自宅でのレッスンの様子や、一緒にできるレッスン動画、インタビューなど、劇場に行けなくても、ダンサー達と繋がれる沢山のコンテンツを配信しています。近日、ダンサー達がそれぞれ振り付け、衣装もある物で工夫して撮影し、編集した作品も公開するので、チェックしてみてください！
https://www.queenslandballet.com.au/keepthemagicalive

Q3.外出自粛生活が終わったら、まず始めに何をしたいですか？
今までバレエという芸術を通して、踊っている時も、舞台を観ている時も、心が豊かになる世界の中で生活する事ができていました。 こういう状況の中でもそれは変わらず、今は舞台で踊りを披露できなくても、楽しみに待っていてくださる観客の方々の前で踊れる日を心待ちにする事で、モチベーションを保つ事ができています。 時間がかかる事ですが、また舞台に立って、いつも観にきてくださる方々と一緒にバレエの世界に入り込みたいです。

Q4.今後の活動予定、もしくはトライしてみたい事やPR したい事があれば教えてください。
入団してからは、2018年のローザンヌガラに出演させて頂いたのが唯一の日本での踊る機会でした。15歳から日本を離れて踊っているので、これまで応援してくださった方々や、まだ踊りを観て頂いていない方々の前で踊れたら、幸せです。日本でも、これから沢山踊れる機会があれば嬉しいです！ 自宅でのレッスンの様子など載せているので、もし良かったら、インスタグラムアカウントにも遊びにいらしてください。 @nenekayoshida
所属しているQueensland Balletは今年で創立60周年です。準備していた、60周年記念のプログラムは全て来年に延期になりました。もし宜しければウェブサイトもご覧ください。
https://www.queenslandballet.com.au/

Q5.ご自分を勇気付ける言葉、もしくは周りのバレエ関係者を勇気付ける言葉があればお書きください。
世界中の皆さんがこの辛い状況の中、工夫して生活されていると思います。この状況が落ち着いて元の生活に戻れたら、また時間に追われる生活になるのかな、とも思います。時間に余裕がある今だからこそ、将来の自分に後から感謝される様な事をできたら良いなと思っています。自分の理想を描いて、将来の為に“種まき“をする様なことが出来たら、この時間も無駄じゃなかったと思えるんじゃないかなと。もどかしい事が多い大変な状況ですが、また伸び伸び踊れる日を楽しみに、一緒に乗り越えていきましょう！

Queensland Ballet  Senior Soloist / Neneka Yoshida
クイーンズランドバレエ団  シニアソリスト　/ 吉田合々香