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Intervie for Ballerina

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バレエは音楽と共にある芸術です。ダンサーは毎日のように音楽と対峙し、その曲のムードを全身で体現しています。日々のレッスンにおいても、ただ音を聞いて動くだけではなく、音のイメージを感じる事はダンサーにとって大切なトレーニングの1つと言えるのではないでしょうか。今日はそんなレッスン音楽をテーマに、新国立劇場バレエ研修所でレッスンピアニストを務める稲葉智子さんと、同バレエ研修所で主任講師を務める鈴木和子先生にお話を伺いました。
image 赤い靴>鈴木先生が現役の頃、音楽はどのようにされていたのでしょうか?
鈴木>私がまだ学生で勉強していた頃は今みたいにCDやカセットもほとんどない時代でしたので、音のない状態でレッスンをしていました。私の場合は二十歳過ぎてバレエ団に入団して初めてピアニスト付きで音楽のあるレッスンを受けました。その後、自分でスタジオをはじめる様になり、その頃は知り合いのピアニストさんにわざわざ演奏を録音してもらいカセットテープを作ってレッスンをしていました。なので、当時と比べると今はCDの種類も物凄く沢山あり、優秀なピアニストさんも多くいらっしゃるので夢のようです。まだ日本であまりピアノ伴奏が普及していない時代にはロシアのピアニストさんが伴奏するレッスンはもの凄くやり易かったのを思い出します。同じグランパディシャでも、良い演奏のクラスの場合、ダンサーはみな「いつもより自分が高く飛んでいるような気がする」と口を揃えて言っていました。
稲葉>それが理想です!ピアノの演奏でダンサーの力を引き出すと言うのは、レッスンピアニストにとっては一番の醍醐味だと思います。私にとっても永遠の課題です。
image 赤い靴>ピアニストさんはレッスンの伴奏をされる時、ダンサーの為にどのようなことを工夫しているのでしょうか?
稲葉>私は伴奏ピアニストと言うものは先生やダンサーの皆さんがレッスンされる為のツールの一つだと思っています。ですのでプロの人、生徒さんのレベルによってその都度変わるテンポ感や質感といったものを一番に考えています。ピアニストとして良い演奏をする事は大切ですが、一番はテンポ!身体を充分に使い切るために求められる適切なテンポ感をキャッチして演奏に反映させていけるよう努力していますし、それぞれの現場で先生やダンサーの要望を尊重するようにしています。レッスンピアノの場合、自分の演奏や楽譜に100%集中する事は絶対にあり得ません。意識は常に、ダンサーや先生と自分の演奏と分けて弾き、適切なテンポが出せているかどうかと言う事に気を配っています。初めての先生の場合などは、これを捉える為にできる限り先生やダンサーの様子を見ています。

赤い靴>ピアニストさんは元々、楽譜や自分の演奏にだけ集中して練習を重ねてこられたのではないかと思いますが、ある日突然自分の演奏とクラスの状況と両方に気を配らないといけないとなると、これは大変な事だったのではないでしょうか。
稲葉>そうですね。だからこれはクラスレッスンの現場でしか学べない事だと思うのです。ただ、元々の素質によって、自分の演奏以外に意識を集中させる事を辛く感じるか楽しく感じるか、どれくらい情報をキャッチしてできるか等、向き不向きもあると思いますし、人間のタイプによって変わると思います。私の場合は元々「自分のピアノを聴いて欲しい!」という意識が子供の頃からあまりなく、伴奏の方が好きだったので、何かの為に弾くのはとても性にあっているし、しかもそれが美しいバレエというのは喜びでした。

赤い靴>鈴木先生はご自身の主催するお教室でも生演奏でのレッスンを実施されていらっしゃると思いますが、音楽と言う視点において、ピアニストやダンサーに求める事はありますか?
鈴木>稲葉さんもおっしゃる通りピアニストさんに求める一番の事はテンポです。音に対する感受性は人それぞれなので、人によって反応の良し悪しはありますが、とにかく子供はテンポがとり易い音を頂けると助かります。年齢が上がってバレエの内容が高度になってくると、曲もドラマティックな音などが求められる事もあります。曲目としては皆さん様々な音楽を弾いて下さいますが、音楽の質がアンシェヌマンにマッチしていると、とても気持ちがよく嬉しいものです。ダンサーについて言えば、いくらレッスンの時とはいえ、せっかく音があって美しいメロディーを弾いてもらっているのに、「何も感じていないのではないか?」と思うような動きをする人はいらっしゃるので、是非美しいメロディーを感じて、踊って頂きたいと思います。

赤い靴>生徒さんがなかなか音を捉えられない場合はどうしていらっしゃいますか?
鈴木>それは音楽の感性だけでなく運動神経の問題も大きいと思います。音感は良くても運動神経が伴わなければ動きが遅れてしまいます。また、メロディーにあわせた感情表現に関しては、運動神経が良くても、いくら言っても何もだせない子と、パッと感じて自分で表現しだす子といるので、何とも言えませんね。これも才能と言えるかと思います。ただ、子供の頃不器用でも、大人になって開花する人もいます。恋愛や結婚、日常生活で感じた事が糧となり、音楽的な感受性が増す事もありますし、年と共に変わってくる事もあります。ですので、この点に関しては早めに見切りを付ける必要はありません。
image 赤い靴>稲葉さんはご自身の演奏で、レベル別のバレエレッスンCDも出されていらっしゃいますが、この製作にあたってはどの様な事に気をつけたのでしょうか?
稲葉>“中上級者用”は割とバレエ音楽等を交えてドラマティックに仕上げ、テンポもあまり合わせすぎず、普段カンパニークラスで弾いている時と近い雰囲気で弾きました。初心者の方はまだ考えながら動いて音を掴むので、“初級者用”のCDにおいては、さっき先生がおっしゃった様に分かり易いプレパレーション、とりやすい拍感でちゃんと動きが感じられる様な弾き方をしております。大人の人も対象にしているので、よりレッスンを楽しめる様、幅広いジャンルで選曲しミュージカルなども入れました。 “ジュニアクラス用”では、レッスンを通してバレエ作品の音楽に馴染んでもらえる様、選曲を工夫しています。最後に作ったキッズ用( “はじめてのバレエクラス用”)は子供の頃に自分が好きだった曲なども入れて、より分かり易く、より伸び伸びとできる様なテンポ感、動きと一緒になった時に音楽が有効になる事を考えて作りました。このCDは大人のポアントクラスでも使ってもらえると思います。

赤い靴>今後も新しいCDは作られますか?
稲葉>はい。今後も作るつもりではおりますが、まだ時期や内容は未定です。

赤い靴>最後にバレエを勉強中の方々に向けて、一言メッセージをお願いします。
稲葉>長く稽古場で弾かせて頂いていると、プロを目指し頑張っている姿を見ていた生徒さんが、夢を叶えプロのダンサーになる姿を見届けられる事があります。そんな時は私も心から嬉しく思います。また、お稽古場で私のCDを使ってます、と声をかけて頂く事がありますが、お会いしたことがない方でもCDを通して繋がれているのはとても嬉しいです!

プロフィール

鈴木和子
谷桃子バレエ団教師、公益社団法人日本バレエ協会理事、公益社団法人神奈川県芸術舞踊協会副会長、新国立劇場バレエ研修所主任講師として活躍。1965年谷桃子バレエ団入団以降、「白鳥の湖」、「リゼット」、「くるみ割り人形」等に主演。1970年神奈川県鎌倉市にスズキ・クラシック・バレエ・アカデミーを設立。以降、ローザンヌ国際バレエコンクール入賞者(古谷智子)をはじめ、国内外のコンクールにて多くの入賞者を育成。英国ロイヤル・バレエ団、ハンブルグバレエ団等国内外の有名バレエ団への入団者を育成。第58回・第59回全国舞踊コンクール優秀指導者賞受賞。第23回橘秋子指導者賞受賞。

稲葉智子
劇団四季、新国立劇場バレエ団、新国立バレエ研修所、スターダンサーズバレエ団等のレッスンピアニストとして活動中。2009年ロシア国立ワガノワバレエ学校にて短期研修。主席ピアニスト、ガリーナ・ベズグラヤ氏に師事。2012年ベラルーシ国立ボリショイ劇場バレエ団にて研修過程修了。DVD『小山久美 大人から始めるバレエレッスン』、『首藤康之の美しくなるバレエ』で演奏。2015年にクラシックレーベル「フォンテック」より、バレエレッスンCDをリリース。


【森龍朗監修・稲葉智子ピアノ】バレエ・レッスンCD  (発行:株式会社フォンテック)

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    ジュニアクラス用
    4,500円+税

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    初級者用
    4,500円+税

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    中上級者用
    4,500円+税

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    はじめてのバレエクラス用
    4,000円+税

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